スタッフ紹介 -山内則康- |
●キャラクターデザイン:山内則康氏 | |
メインキャラクターデザインとして山内則康氏が起用されなければ、今我々が目にしているのとは風貌の変わった「えり子」が生まれていたに違いありません。 縦巻きロールの髪型にクリクリ目が特徴のえり子も、ポニーテールに凛とした顔立ちの麗も生まれなかったでしょう。 ここ数年、急激に注目されているキャラクターデザイナーですので、「山内則康」で検索をかけて辿り着いた方も少なくないでしょう。しかし、ここ数年の注目のされ方は描かれる顔の可愛さもありますが、セクシーなショットやミリタリー系メカの監修で注目を受けている面もあり、その部分に惹かれて検索した方には、ターゲット層が「小学校中学年程度までの女子」であったこの作品はちょっと物足りないかもしれません。セクシーと言ってもせいぜい、スカートめくりとシャワー中のバストアップショットと水着姿とおさわり爺さんくらいです。ミリタリー系に関しては微塵もありません。 スタッフ紹介の第一弾として、『アイドル伝説えり子』を語る上で外せない重要なポストである、キャラクターデザイン「山内則康」氏についてご紹介いたします。 |
●『アイドル伝説えり子』における山内則康氏 | |
上記でメインと書いたのは、実は主要女性キャラクターのみのデザインを担当されていました。 具体的には、えり子と麗の表情及びコスチューム部分を重点的に担当されていたようです。 |
※「田村えり子」設定資料より | ※「朝霧 麗」設定資料より |
豊かな表情描写もさることながら、髪型にこだわりをもって描かれていたように感じます。また、本編中では数度しか使用されなかった髪を下ろしたえり子や麗の姿も、キャラクターの印象を損なわずに描かれました。惜しむらくは当時の放送技術ではデジタル処理等が発達していないため、アニメーションに起こされた時点で拘ったであろう髪への線入れの本数が減ってしまっていることです。 表情描写以外に特筆すべきなのは、それぞれの歌用に合わせたイメージでコスチュームデザインをされていることです。最近の作品でも着たきり雀な作品が多い中、こういう部分に凝った監督&演出さんの拘りもあったのでしょうが、歌う歌にピッタリのイメージでデザインされているのには非常に素晴らしいと感じました。 アイドルとしては王道のフリフリした感じの「ロコモーションドリーム」の衣装、ちょっと露出を多くするも清純さが失われていない「好きよ」の衣装など、全く歌のイメージを損なわず且つ引き出すようなコスチュームは歌とリンクしていて、とても印象に残ります。 本人談「森高千里さんを意識した」という「真剣(ほんき)」の衣装は、私の中でも特にお気に入りの衣装です。 |
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「ロコモーションドリーム」 の衣装 |
「好きよ」 の衣装 |
「真剣(ほんき)」 の衣装 |
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ステージ以外の普段着等に関しては、富永真里さん、小林早苗さん、近永健一さんらによってデザインされています。 |
●その後の山内則康氏 | |
『アイドル伝説えり子』後の山内則康氏は、スタジオ・ファンタジアと出会い、自らの趣味・趣向を織り交ぜて描くキャラクターデザイナー&メカニック監修としてファンに認知されていきました。 代表作品として、『AIKa』、『ナジカ電撃作戦』、『ストラトス・フォー』等が挙げられます。 |
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AIKa |
【ジャンル】:セクシャルアクションアドベンチャー/1997年 スタジオファンタジア制作 OVAであり且つ青年向けの作品であったため、艶っぽさに加えメカニックに拘った作画が見られます。 |
ナジカ電撃作戦 |
【ジャンル】:ローアングルスパイアクション/2001年 スタジオファンタジア制作 地上波(UHF系)であったため『AIKa』に比べて露出は少なくなりましたが、大人の魅力と少女の可愛さ、『AIKa』以上に拘った銃器系デザインや青少年が興奮しそうなカメラアングルに拘った作品になっています |
ストラトス・フォー |
【ジャンル】:美少女SF成長記/2003年 スタジオファンタジア制作 高校程度の少女たちを可愛く表現し、且つ肌に密着してスタイルが丸分かりになるような宇宙服を着せたり、現存するミリタリーマニアにしか分からないような機体を登場させたりしています。 |
作品を追うごとに、いかに趣味・趣向の世界を作品に反映させているか判っていただけましたか? しかし、それらが世間に注目され脚光を浴びていることは事実であり、私も嫌いではありません。(如いて言えば、大好き(笑)) それではここで、その作品の作画を年代ごとに並べて比較してみましょう。 |
アイドル伝説えり子 (1989年) |
AIKa (1997年) |
ナジカ電撃作戦 (2001年) |
ストラトス・フォー (2003年) |
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あの・・・ええっと・・・年代をおうごとにキャラ毎の特徴が無くなってきているのは気のせいですか?(苦笑) 髪型と目元を変えただけでキャラ作るなんて(笑) 私が凝って書いてるな〜と言った髪の毛への線入れさえ激減してます・・・。 あれ?最後の4人組・・・似たキャラ見たことありますよ。 『ナジカ電撃作戦』に出てきた4C’zNs(フォーシーズンズ)の皆さんじゃないですか?(爆) それに、その所属事務所の社長さんって、もしや・・・
アラしか言ってないですね・・・・ ここは「この年代の女の子を描く時の基準が本人の中で固まった」と解釈しておきましょう。 さ、気を取り直して、年代ごとに山内則康氏が書いたエリリンを見てみましょうか。 |
1990年 放送時 |
1992年 放送終了2年時 |
1997年 LD描き下ろし時 |
2003年 DVD発売告知時 |
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途中(丁度『AIKa』の頃)、急激に色っぽくなっちゃって、「エリリン」ってよりは「えり子さん」という感じになってますね(汗) DVD発売告知時には、もう、下地島迎撃基地の皆さんと変わらなくなってきてますね(苦笑) 同時期に描かれた他作品の影響が非常に色濃く出ています。 |
●山内則康氏を深く知っていただく為のお奨め作品 | |
個人的には大ファンですので全作品見ていただきたいのですが、幅広く知っていただく為にも「コレは見て欲しい」というものをベクトル毎に紹介させていただきます。 評価の☆に関しては山内氏関連作品の相対比で表しておりますので、ご了承ください(笑) |
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◎若さと厚みのある物語を楽しみたい方は・・・ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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◎流れる様なセクシーショットを存分に楽しみたい方は・・・ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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◎バランス良く作品を楽しみたい方は・・・ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●山内則康氏への今後の期待 | |
どんどん趣味を前面に出してデザインしつつ、演出面にも徐々に参加されて来ている山内則康氏には、今後、自分の描きたい世界を自らがデザインしたもので「作品」を作り上げる、総演出や監督レベルへの転進等も期待しております。 更に腕を磨いて原画展や版画展でもよいのですが・・・顔は同じみたいなんで(笑)演出全面に山内氏の色が出る一つの作品が見たいと希望します。(TV放送では無理?!) |
●山内則康氏の描くのセクシーショットが好きな方へ | ||
このページに辿り着いて『アイドル伝説えり子』という作品を知ったものの、セクシー面があまり期待出来ないといった理由で視聴を見送ろうとする方がいらっしゃるのならば・・・ |
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両脇で一部ご紹介しているLDのジャケットは、 きっと貴方を満足させることでしょう(笑)。 ← LD-BOX 1 -SOLO-より抜粋(笑) LD-BOX 2 -DUET-より抜粋(笑) → |
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(文責:くらげ) |
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